2008年12月14日日曜日

JOB

研修医の頃、60歳過ぎの腎臓を患った男性の主治医になった。
オルゴールの組み立て工場に30年以上勤めていたそうである。
退院の時 ”仕事はどうしますか?”と尋ねたところ、
できれば続けたいとのお返事だった。
”工場の仕事は退屈ではないですか?”と聞くと
” 私は仕事で細かい作業をしている時が一番幸せです。
嫌なことや煩わしいことをすべて忘れられるからです。”
私は自分の浅はかな思い込みに 恥かしい思いをした。

千葉の病院に出向中、若い薬剤師の女性職員が今月で、
病院を退職すると 話していた。いろいろ嫌なことがあったらしい。
私が ” 次の職場は決まったの” と聞くと
”スキューバダイビングの仕事をするの”
” 私 スキューバのインストラクターの資格持っているの”
という返事があった。
私は彼女の事がとても羨ましかった。医師免許がなくなったら
何も残らない自分が情けなくなった。

仕事に関しては様々な考え方があるが 一番大切な事は
職業の選択は必ず本人に決めさせ、本人の責任で
知恵と工夫を使って 生きていく ということであると思われた。

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